フリーランスとして働くとは何か。キャリアの自律を、平田麻莉さん(フリーランス協会)の言葉から考える

「会社に言われるまま、仕事をこなす日々でいいのだろうか」
「いつかフリーランスになりたい。でも、何から始めればいいのか分からない」
そんな迷いを抱えたまま、一歩踏み出せずにいる人は少なくないはずです。

本記事では、フリーランス協会代表理事・平田麻莉さんへのインタビューをもとに、「キャリアを自分で選ぶとはどういうことか」を、これからフリーランスを目指す個人の視点から考えます。

フリーランスという働き方を選ぶ人が、増えている

フリーランス協会が毎年実施している「フリーランス白書」によれば、フリーランスがプロフェッショナルな専門職であるという認識は着実に広がっています。副業についても、生活費を補うためではなく、自分のキャリアへの「投資」として前向きに選ぶ人が増えてきました。

2024年11月に施行されたフリーランス法も、この流れを後押しするものでした。取引条件の明示や支払い期限の設定など、フリーランスが安心して働ける環境の整備が、法的に後ろ盾を得た形です。

「かつてよく言われていた『フリーターと何が違うの?』と聞かれることはなくなりました」と平田さんは言います。

フリーランスという選択は、一部の特殊な人のものではなくなりつつあります。

告知:平田さんと直接話せるイベントが開催予定!

キャリアの手綱は、自分で持っていい

では、フリーランスを選ぶ人たちには、どんな共通点があるのでしょうか。

インタビューの中で平田さんはこう話します。「フリーランスを選ぶ人たちは、キャリアの手綱を自分で持ちたいという意識が強い方が多い。どんな仕事を、どこで、誰とするか、自分で決めたいということです。それは単なる自由への欲求ではなく、キャリアへの能動的な関わり方です」

会社員として働いていると、異動も転勤も、評価も昇進も、多くのことが「会社の判断」に委ねられます。もちろんそれが安定をもたらす面もある。ただ、気づいたときには「自分でキャリアを選んできた実感がない」という状況に陥ることもあるでしょう。

平田さんが使う言葉は、「生殺与奪の権を他者に握られないこと」。シンプルながら、キャリア自律の本質を鮮明に言い表しています。

働き方を自分で選ぶことは、わがままでも無責任でもありません。自分の人生に責任を持つ、能動的な姿勢そのものだといえます。

フリーランスへの転向でよくある不安——「複数の仕事を抱えて大丈夫?」

フリーランスへの転向を考えるとき、よくある不安のひとつが「複数のクライアントを掛け持ちして、ちゃんとコミットできるのか」というものではないでしょうか。

平田さん自身、フリーランス協会の代表理事を務めながら、2つの大学での教員、取締役を務める会社と、複数の組織に同時に関わるスタイルで仕事をしています。「どれひとつとして他人事なものはなく、どの組織においても主語は『We』です」——これは、平田さん自身の実感から来た言葉です。

そもそも、ひとつの会社にフルタイムで勤めている人だって、家族があり、地域があり、趣味や子どものPTAもある。その人の時間と意識の100%を、1社が独占できているわけではありません。「一度に複数のことをやったら、どれも中途半端になるのでは」という恐れは、思い込みかもしれない。関わるすべての場所で、ちゃんと「We」として動ける人間になれると、平田さんは自らの経験で示しています。

「乗りたい船」を、自分でつくる

フリーランスとして働くということは、単に「会社員をやめる」ことではありません。自分のキャリアを、能動的に設計していくことです。

平田さんがフリーランス協会の運営について語るときに使う表現が、「勝ち馬になる」というものです。「勝ち馬に乗る」ではなく、「乗りたくなる馬に、自分がなる」ということ。

フリーランスとして選ばれ続けるためには、自分自身が「一緒に仕事をしたい」と思われる存在になることが求められます。それは同時に、自分にとっても「この仕事をしていてよかった」という実感につながる。

誰かに乗せてもらうのではなく、乗りたいと思われる自分をつくっていく。それがフリーランスという働き方の、もうひとつの醍醐味ではないでしょうか。

平田さんと直接話せる機会があります

この記事でご紹介した平田麻莉さんが登壇するイベントが、今月末に開催されます。

「フリーランス協会代表理事と考える 自律的なキャリアの描き方 〜リアルな体験談とフリーランスならではの働き方〜」

フリーランスを考え始めたばかりの方、迷っている方こそ、ぜひご参加ください。

詳細・お申し込みはこちら

本記事は、HC+(HUMAN CAPITAL+)に掲載のインタビュー記事「フリーランスは『先生』でも『下請け』でもない。インサイダーとして迎えるとき、組織は本当に強くなる。— フリーランス協会平田麻莉氏インタビュー」をもとに、編集部がフリーランスを目指す方へ向けて再構成したものです。企業・人事担当者向けの視点はこちらをご覧ください

https://humancapital-plus.com/journals/freelance-insider-partner-hirata-mari/

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執筆者
HUMAN CAPITAL + 編集部

「HUMAN CAPITAL +」の編集部です。 社会変化を見据えた経営・人材戦略へのヒントから、明日から実践できる人事向けノウハウまで、<これからの人的資本>の活用により、企業を成長に導く情報をお届けします。