「人事のDX」で“人事の仕事”はどうなる?成功のコツやメリットは何?人事のプロに聞いてみた

「人事のDX」で“人事の仕事”はどうなる?成功のコツやメリットは何?人事のプロに聞いてみた

「人事のDXを取り入れたら、人事はどう変わる?自社の状況はよくなるのか?」など、情報を探している方もいるのではないでしょうか。人事DXに関するリアルな意見を知ることで、企業の成長につながる可能性は大いにあります。

本記事では、テックビズのHR部で人事の業務をする山下佑太さんに「人事のDX」についてインタビュー。成功のコツやメリットだけではなく、注意点を含めたDX化のリアルを教えてもらいました。“人事のDX”について、プロの見解を知ることができるので、最後まで目を通してみてください。

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編集部

「HUMAN CAPITAL +」の編集部です。社会変化を見据えた経営・人材戦略へのヒントから、明日から実践できる人事向けノウハウまで、<これからの人的資本>の活用により、企業を成長に導く情報をお届けします。

テックビズのHR部で人事の業務をする山下さんは、学生時代から人事領域で働くことを目指し、新卒時には他社で人事コンサルティングに携わるなど、若くしてキャリアを積んだ人事のプロです。

これまで人事の仕事を通じて、さまざまな法人企業や“人”を見てきた山下さんに、「人事のDX」について話を聞きました。

「人事のDX」のリアル。人事の未来やポイントをプロが解説

テックビズHR部で働く山下佑太さん

ーー「人事DX(HRDX)」について質問です。DX化が推進される現代では、人事領域においても、業務のデジタル化やAIの活用が推奨されつつあります。そこで気になるのが、“これからの人事の仕事のかたち”です。DX化がさらに進んだ未来において、人事の仕事はどのようになっていくと思いますか?山下さんの見解を教えてください。

山下さん将来的に人事の仕事は、とてもニーズのある仕事になると思っています。それはたとえ今後DX化やAIの発達がどれだけ進んでも……もっと言えば発達すればするほど、です。

その理由としてはまず、人事の仕事を大きく分けると、“設計をする仕事”と“運用をする仕事”の二つになる点にあります。

前者の“設計をする仕事”においては、「人事のDX化」がとくに活きる領域だと思います。

たとえば、「(人事や社内制度の)設計をするためにいろんなデータが必要だから、DX化をして適切なデータを使い、〇〇の制度を作ろう」のようなケースですよね。DX化を進めることで、最適化しやすくなると思います。

一方で、“運用をする仕事”においては、DXに対する見方が少し変わります。というのも、人事の仕事の8割は運用であり、人間がやっていく必要があると考えているからです。

組織というのは、人の集まりであって“生き物”であると思っています。言ってしまえば、“一週間前の組織”と比べて“今日の組織”は、全く同じというわけではないですよね。そういった組織のカルチャーや空気感のようなものまでを、DXによってAIなどに細かく察してもらうのは、現状では不可能です。

これは自分の意見になりますが、「それぞれの組織が持つカルチャーや雰囲気を理解し、複雑なプロセスを踏まえて結論を出す」ことは、DXだけではできないと感じています。そしてその部分こそが、人事の介在価値であり、人事の仕事の面白さや難しさでもあると思っています。

ーーどんなにDX化が進んでも、人事の仕事においては、すべてをデジタルやAIまかせにすることは難しい……ということでしょうか。インターネットの情報だけ見ていると、メリットや効率化に関するトピックが多いことから、その観点は意外でした。

山下さん:そうです。たとえば、評価制度ひとつを見てもそうですよね。会社の業績だったりメンバーの実績数値だったりをAIにインプットして、“どういう項目で評価していくのか”というのを出すだけであれば、すぐにできると思います。

けれども、実際にその評価制度を運用したときの社員の反発・不満・変化などを察して、次回のブラッシュアップにつなげるのは、プロセスを汲み取り切れてないDXやAIだけでは困難かと。

粘土のお城を作る場合で例えるなら……DXやAIで作れるのは、お城の大枠のかたちまで。細部の形成や調整には、人間の人事が行う必要があるといったイメージです。

人事のDX化の成功パターンやコツは?プロが考える“人事の仕事”とは

ーー法人企業が人事DXを行ったとして、明確にメリットが見込めそうなケースはどういったものになるでしょう?ここまで話を聞いてきて、人事のDX化の成功パターンがあるとすればどういうものなのか、ふと気になりました。

山下さん:シンプルなところでいいますと、「評価制度をこれまで手書きでやっていたから、システムに乗せ換えよう」のようなケースであれば、とてもよいDX推進ではないかと。

つまるところ、「こういうことがやりたいから、そのためにこういうデータが欲しい」や、「これまで手作業だったものをDX化して工数を削減する」のように、目的が明確になっているのであれば、人事にDXを取り入れるのは非常にメリットがあると思います。

ただしその際に、手段の目的化……ではないですが、“DX化することだけが目的になっていないか”という視点も忘れないでいただきたいです。

ーーなるほど。人事DXの成功のコツがあるとすれば、“導入する箇所や目的、そして運用方法を正しく見極める目”が大切なのかなと思いました。それでいえば、たしかな経験を持つフリーランスの人事が、法人企業にとって大きくプラスになるのも頷ける気がします。最後になりますが、山下さんにとって“人事の仕事”とは、どんな仕事なのでしょう?人事DXが推進される現代において、“どのような目線で人事をされているのか”といった点と合わせて、ぜひ教えていただきたいです。

山下さん:自分にとって人事の仕事は、「人と組織の可能性を拓く仕事」だと思っています。

たとえば先ほど例に挙げた評価制度でいえば、評価は“その人のできていること・できていないことを知り、どういうアクションをしていけばよいのかを整理するもの”でもあります。正しく運用することで、その人の可能性はもちろん、組織自体の広がりや伸びも大きくなっていくものですよね。

そうした思いもあって、“データと人間はセットにしないといけない”と自分は考えています。

仮にDX化によって、各社員の実績などをすべてデータや数値で出せたとしても、その後の運用には必ず人間が必要になります。そんなとき、即戦力フリーランスのような人が人事にいると、スムーズに運用を最適化できるかと。ノウハウや知見の共有だけにとどまらず、組織の成長のキッカケになる可能性だってあります。

人事の仕事には、人の輪を大きく・厚く・頑丈にし、広げていく役割もあると思っています。これはDXだけでできることではなく、視野が狭くなっている状態の組織でできることでもありません。だからこそ最初にお伝えした通り、DX化やAIの発達が進む世の中においてフリーランスを含めた人事の仕事は、いっそうニーズのあるものになっていくと自分は思っています。

・人事業務において、制度の“設計”においていえば、DX化は有効なケースが多い。
・制度の“運用”においては、すべてをDX化するのではなく、人事の人間が行うことが大切。
・即戦力フリーランスを人事に入れることで、スムーズに“運用”を最適化できる可能性がある。

人事のDXを進める省庁はどうなのか?プロの見解と照らし合わせてみた

テックビズHR部で働く山下さんの話の中に「人事の仕事は“設計”と“運用”に分けられる」といったコメントがありましたが、これはあながち間違いではありません。

その理由の一つに、厚生労働省が公開している資料「DX時代の人的資本経営:人的資本開示と新しい人事の役割」があります。資料内の“人事のDXをどう進めるか”にて、さまざまな項目が並ぶ中、そのどれもが“設計”に関するものです。

※出典:「DX時代の人的資本経営:人的資本開示と新しい人事の役割」大湾秀雄 早稲田大学政治経済学術院/組織経済実証研究所 2023年12月21日@第6回雇用政策研究会 厚生労働省

また、デジタル庁が過去に行った人事DXの人材に関する求人を見ても、DX化の主となる部分は“設計”であることが分かります。

要項の業務内容に「複数の利害関係者とコミュニケーションを取っていただきます」といった記載もあることから、人事のDX化を進めても“運用”においては、やはり人間の人事の存在が大切であるといえます。

※出典:デジタル庁 求人一覧(募集期間を過ぎているため、混乱を招かぬようリンクは不記載)

こうした点から、DX化が進む社会において、人事の重要度がさらに増していく可能性は大いにあります。

とはいえ人事の設計・運用やDX化にかぎらず、法人企業がそれぞれ持つ“人事の課題”を解決するのは簡単ではありません。ましてや、人事を担当する従業員が既にいる中で、抜本的な解決や改革を行うのは、さまざまなハードルがあると思います。

そんなときにおすすめなのが、優秀な支援パートナーと連携し、人事課題の解決や企業成長につながる人材について相談をしてみるという方法です。

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執筆者
HUMAN CAPITAL + 編集部

「HUMAN CAPITAL +」の編集部です。 社会変化を見据えた経営・人材戦略へのヒントから、明日から実践できる人事向けノウハウまで、<これからの人的資本>の活用により、企業を成長に導く情報をお届けします。

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