「人事の外注」のメリットは何?“人事は聖域”から法人企業が変わりつつあるワケとは。人事のプロに聞いてみた

「人事の外注」のメリットは何?“人事は聖域”から法人企業が変わりつつあるワケとは

「人事の外注」と聞くと、真っ先にリスクを感じる方もいるのではないでしょうか。しかし実は、現代において人事の外注を取り入れる法人企業は決して珍しくありません。

本記事では、テックビズのHR部で人事の業務をする山下佑太さんに「人事の外注」についてインタビュー。人事の外注のメリットや背景などをわかりやすく解説します。プロの意見と共に人事の外注についてを知ることができるので、最後まで目を通してみてください。

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テックビズのHR部で人事の業務をする山下さんは、学生時代から人事領域で働くことを目指し、新卒時には他社で人事コンサルティングに携わるなど、若くしてキャリアを積んだ人事のプロです。

これまで人事の仕事を通じて、さまざまな法人企業や“人”を見てきた山下さんに、「人事の外注」について話を聞きました。

「人事の外注」のメリットは?法人企業が人事を外注する理由は何?

「人事の外注」のメリットは何?“人事は聖域”から法人企業が変わりつつあるワケとは。人事のプロに聞いてみた
テックビズHR部で働く山下佑太さん

ーー「人事の外注」について質問します。ひと昔前で言えば、会社にとって人事は“聖域”のような業務で、「人事の外注なんて考えられない!」といった法人企業が多かった印象があります。当時に比べると現代では、人事の外注を行う法人企業も徐々に増えていると聞くのですが……山下さんから見て、人事を外注するメリットはどこにあると思いますか?

山下さん:実際にメリットがあるかどうかは、その法人企業が持つ目的にもよると思っています。たとえば、人事を“守りの組織”だと考えて「給与計算や労務を中心に業務してもらいたい」という法人企業であれば、正社員だけでも問題なく機能すると思います。

そうではなく、人事を“攻めの組織”だと考えて「会社を大きくして事業を推進していくために人事側からもフォローアップをしてほしい」という法人企業であるならば、人事を外注するメリットは高いと思います。

なぜならば、自社の正社員だけで人事を行う場合、どの組織も視野が狭くなりがちです。現在の世の中はVUCA(ブーカ)の時代とも呼ばれ、流動性も激しいため、どの法人企業も突然のトラブルに見舞われる可能性を持っています。このことから、自社における人事的なアプローチを常に模索し続けていかなくてはなりません。

そんなとき、人事の外注によって外部の人材を入れると、さまざまな知見を得ることにつながり、目的も達成しやすくなります。以上の点から、人事を“攻めの組織”と捉えている法人企業であれば、人事を外注して得られるメリットは十分あると考えています。

ーーなるほど。組織によっては、“時代の流れ”に対応するため人事を外注することも選択肢に入りうるということですね。そこで気になるのが、人事を“聖域”のような業務として考える法人企業がこれまで多かった理由です。ずばり、それは何故だと思いますか?山下さんの見解を伺いたいです。

山下さん:法人企業が人事の外注に慎重になる理由の一つとして、“外部に情報が漏れる可能性”を懸念している点があると思います。たとえば、各社員の給与額などの個人情報ですよね。

ただ現代は、インターネットの発達によって情報を簡単に手に入れられるような時代でもあります。調べようと思えば、サイトや口コミで法人企業の情報を知ることができてしまう世の中でもあるため、先述したような“人事の外注に対する懸念”は徐々に薄くなっていくのではないかと考えています。

「人事の外注」で組織は変わる?人事のプロの改革目線で簡易シミュレーション

ーー少し飛躍した質問をさせていただきたいと思います。お話を聞いて、企業を成長させたり時代の変化に対応できるようになるためには、“攻めの組織”であることが一つのポイントである気がしています。もしも山下さんが、“守りの組織”から“攻めの組織”に変わろうとしている法人企業に人事として参画した場合ですが、どのような改革を行いますか?

山下さん:まず、その法人企業の経営目標を聞いて、「それに対して人事がどんなアプローチしているのか」といった問いかけをすると思います。“経営目標に対する意識”を持ってもらうところから始めて、採用の見直しや人事面でのフリーランス活用・外注を提案していくと思います。

あとは、離職率などにも問いを持つ必要があるかと。たとえば“守りの組織”の法人企業で、なおかつ離職率が高いのであれば、採用に関しても苦戦するようなケースが考えられます。そうなったときに「このままの離職率で本当に大丈夫なのか」といった問いかけをし、これまでのやり方を見直す提案をするかなと。

少子高齢化社会でどんどん若者が減っていっている世の中で、(人離れをカバーするために)採用だけに力を入れるのではなく、働き手の定着率を高めることを伝えると思います。

ただ前提として、忘れないでおきたいのが、“守りの組織”だから悪い……というわけでは必ずしもない点です。そこに魅力を感じて就職活動をする方も一定数いるので、法人企業ごとのスタンスなども考慮しつつ改革の判断をしていくと思います。

ーーたしかに仰るとおりですね。ご意見を踏まえると、それぞれの法人企業の目的や方向性にマッチするように、人事も運用していくことが大切なのかなと思いました。ちなみに先ほどのコメントでフリーランス活用について触れていらっしゃいましたが、それはフリーランスに人事を外注することで、法人企業が持つ課題のスピーディーな解決につながりうる……という考えからでしょうか?

山下さん:そうですね。フリーランスの人事をしている方には、“課題を解決すること”が大好きな方が多いと感じています。

それこそ、「今まで“守りの組織”だったからフリーランスの活用はしてこなかった。人事課題は山積みだけど、抜本的に解決していかなくてならない」のような状態の組織から外注があったなら……やりがいを感じて、とてもワクワクすると思います!

・人事を“攻めの組織”として考える法人企業であれば、「人事の外注」はおすすめ。
・人事を外注すると、外部からさまざまな知見を得ることができるため、時代の流れに対応できやすくなるなどメリットが多い。
・フリーランスで人事をしている方には、“課題を解決すること”が大好きな方が多い傾向がある。

人事の外注も一つの手段。さまざまな機関で新たな“働き方”の議論がされている

人事の外注も一つの手段。さまざまな機関で新たな“働き方”の議論がされている

テックビズHR部で働く山下さんの話の中に“攻めの組織”という表現がありましたが、これは官公庁などの機関を含めたさまざまな組織で、類似の議論がされています。

たとえば、令和6年(2024年)3月に関東経済産業局が発表した「ジョブの明確化に基づく人材戦略実践ガイダンス」では、導入にて“労働市場(働き手と組織の関係)の変化”について解説しています。

※出典:2024年3月「ジョブの明確化に基づく人材戦略実践ガイダンス」1.導入 ー労働市場(働き手と組織の関係)の変化 関東経済産業局

また、同資料内の“ジョブの明確化を通じた課題解決のステップ”にあるSTEP3:人事施策の実行の欄では、外部人材活用について明記がされています。

※出典:2024年3月「ジョブの明確化に基づく人材戦略実践ガイダンス」2. ジョブの明確化を通じた課題解決のステップ 関東経済産業局

このことから、組織の将来的なあり方として、業務委託へのアウトソーシングなどを積極的に行うような雇用コミュティに変化していく可能性が意識されているといえます。

そうした点を踏まえると、今後は“攻めの組織”が増えていき、社会の変化に常に対応できるよう、人事の外注やアウトソーシング化を取り入れていく法人企業が多くなっていくと言えるのかもしれません。

とはいえ、中には「アウトソーシングはおろか、自社の業務を外部に代行させた経験すらない」といった法人企業もいると思います。

この機会に、信頼できる支援パートナーと連携し、自社の成長につながる人材に関する相談をしてみるという方法を取ってみるのはいかがでしょうか。

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執筆者
HUMAN CAPITAL + 編集部

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