経理アウトソーシング完全ガイド｜選び方から費用相場まで徹底解説

1.経理アウトソーシングの基本と依頼できる業務範囲

経理アウトソーシングとは、自社の経理業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することを指します。記帳代行との大きな違いは、単なる帳簿記入だけでなく、経営判断に関わる財務分析や経理戦略の立案まで含めた包括的なサービスを提供できる点にあります。

具体的に依頼できる業務は以下の通りです。

【経理アウトソーシングで依頼可能な業務一覧】

2.経理アウトソーシングのメリットとデメリット

経理アウトソーシングを検討する際は、自社の状況に照らし合わせて、以下のメリットとデメリットを慎重に検討する必要があります。

経理アウトソーシングのメリット 

・人件費の削減効果
正社員一人あたりの人件費（給与・社会保険料・福利厚生費など）と比較して、一般的に20-30%程度のコスト削減が期待できます。

・専門性の向上
最新の会計基準や税務関連の知識を持つプロフェッショナルによる業務遂行が可能になります。

・業務の効率化・標準化
定型業務のシステム化により、作業時間の短縮と人的ミスの低減が実現できます。

経理アウトソーシングのデメリット

 ・初期費用の発生 システム導入や業務引継ぎにかかる費用が必要になります。

・社内の経理知識の空洞化 すべての業務を外部委託することで、社内の経理知識が失われるリスクがあります。

3.経理アウトソーシングの費用相場と選定のポイント

一般的な費用相場は、企業規模や依頼する業務範囲によって大きく異なります。

月額費用の目安は？

業者選定時のチェックポイントは？

・業務実績と専門性
経理アウトソーシング業者には、その業界や企業規模に応じた経験が必要です。特に、自社と同じ業界での実績があるかどうかは、業界特有の会計処理や税務対応の知識を持っているかを判断する重要な指標となります。

・セキュリティ対策の充実度
経理情報は企業の機密データを含むため、情報セキュリティ対策は特に重要です。プライバシーマークやISMS（情報セキュリティマネジメントシステム）などの認証取得状況、データ保管方法、アクセス管理体制などを確認する必要があります。

・コミュニケーション体制
日常的な業務連絡から緊急時の対応まで、スムーズなコミュニケーションが取れる体制が整っているかどうかが重要です。担当者の配置体制、連絡手段、レポーティング方法などについて、具体的な確認が必要です。

・緊急時の対応力
税務調査への対応や急な経営判断に必要な資料作成など、突発的な要望にも対応できる体制が整っているかどうかを確認します。特に、担当者の不在時のバックアップ体制についても確認が必要です。

・価格の透明性
基本料金だけでなく、追加オプション料金や臨時の対応が必要な場合の費用など、料金体系の透明性が重要です。見積もり時に明確な説明があるか、また実際の請求時に予期せぬ追加費用が発生しないかなどを確認します。

これらのポイントは、単独で評価するのではなく、自社の優先順位に応じて総合的に判断することが重要です。特に、コストだけでなく、サービスの質や信頼性を重視した選定を行うことで、長期的な視点での成功につながります。

4.フリーランス活用という新しい選択肢

従来型の経理アウトソーシングに加えて、近年注目を集めているのが、フリーランス人材の活用です。

従来型アウトソーシングとフリーランス活用の比較

まとめ：経理アウトソーシング成功のための3つのポイント

経理アウトソーシングを成功させるためには、以下の3点が重要です。

1. 明確な目的設定
   単なるコスト削減だけでなく、業務効率化や経営管理の高度化など、具体的な目的を定めることが重要です。
2. 段階的な導入
   すべての業務を一度に委託するのではなく、定型業務から段階的に範囲を広げていくことをお勧めします。
3. 適切なパートナー選び
   自社の規模や業務内容に合った最適なパートナーを選定することが、成功の鍵となります。

本記事の内容を参考に、自社に最適な経理アウトソーシングの形を見つけていただければ幸いです。