労働人口の減少や急速なテクノロジーの進化により、経理人材の確保が困難な時代となっています。多くの企業が経理業務の効率化や人材不足の解消に頭を悩ませる中、「経理代行」というソリューションが注目を集めています。本記事では、経理代行の基本的な概念から、具体的な活用方法、選定時の注意点まで、実務担当者の視点で詳しく解説していきます。
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1.経理代行の基礎知識:記帳代行との違いを理解する
経理代行とは、企業の経理業務の一部または全部を外部の専門家に委託するサービスです。単なる帳簿記入にとどまらず、財務分析や経営アドバイスまで幅広い業務を網羅します。
記帳代行との違いを明確にするため、主な特徴を表で比較してみましょう。
【表:経理代行と記帳代行の比較】
2.経理代行で依頼できる業務内容と導入メリット
経理代行サービスでは、以下のような幅広い業務を依頼することができます。
主な依頼可能業務
・日次・月次の仕訳入力と会計処理
取引データの入力から仕訳、勘定科目の管理まで、日々の会計業務を一括して処理します。
・給与計算および関連する税務処理
給与計算はもちろん、所得税や社会保険料の計算、年末調整など、従業員の給与に関連する業務全般を代行します。
・月次決算資料の作成
月次での試算表や財務諸表の作成、予実管理資料など、経営判断に必要な資料を作成します。
・税務申告書類の作成
法人税、消費税、地方税など、各種税務申告に必要な書類の作成と手続きを代行します。
・財務分析とレポーティング
財務諸表をもとに経営状況を分析し、改善点や今後の方針について具体的な提案を行います。
・経営アドバイス
財務面での専門的な知見をもとに、経営戦略の立案や資金調達などについてアドバイスを提供します。
導入によるメリット
①コストの最適化 正社員採用と比較して、必要な業務に応じた柔軟な費用設定が可能です。福利厚生費や教育費用なども削減できます。
②専門性の確保 経理の専門家による高品質なサービスを受けられ、最新の会計基準や税制改正にも適切に対応できます。
③業務効率の向上 定型業務の外部委託により、社内スタッフは戦略的な業務に注力できるようになります。
3.経理代行サービス選びで押さえるべき4つのポイント
信頼できる経理代行サービスを選ぶために、以下の点を重点的にチェックしましょう。
①セキュリティ体制
・データ保護方針の確認 個人情報や機密情報の取り扱い規定が明確で、具体的な保護措置が講じられているかを確認します。
・情報管理体制の整備状況 情報漏洩防止のための社内規定や従業員教育、システム面での対策が十分かを精査します。
・セキュリティ認証の取得状況 ISO27001などの情報セキュリティマネジメントシステムの認証取得有無を確認します。
②サービス提供体制
・担当者の経験と資格 公認会計士や税理士などの有資格者の在籍状況と、実務経験年数を確認します。
・バックアップ体制の有無 担当者の不在時や緊急時に備えた代替要員の確保状況を確認します。
・緊急時の対応方針 システムトラブルや災害時などの緊急事態における対応手順が整備されているかを確認します。
③コミュニケーション方法
・定期的な報告体制 月次報告会の実施頻度や報告内容、フィードバックの方法について確認します。
・質問・相談への対応方法 日常的な問い合わせ対応の窓口や、回答までの所要時間を確認します。
・オンライン対応の可否 リモートでの打ち合わせや資料共有が可能か、使用するツールについて確認します。
④料金体系
・初期費用と月額費用の内訳 導入時の設定費用や月々の基本料金、追加オプション料金の詳細を確認します。
・オプションサービスの料金 追加で発生する可能性のある作業の料金体系を事前に確認します。
・契約期間と解約条件 最低契約期間の有無や中途解約時の条件、違約金の有無について確認します。
経理代行おけるフリーランス活用のメリット
経理代行の新しい形として、フリーランス人材の活用が注目を集めています。従来の経理代行サービスと比較して、以下のようなメリットがあります。
- 柔軟な勤務形態による効率的な業務遂行
- 必要なスキルセットに特化した人材の確保
- 直接のコミュニケーションによる円滑な業務進行
- コストパフォーマンスの高さ
まとめ:経理業務の効率化と質の向上を実現する選択肢として
経理代行サービスは、人材不足や業務効率化の課題を抱える企業にとって、有効なソリューションとなります。特に近年は、従来型の経理代行サービスに加え、フリーランス人材の活用という新しい選択肢も登場し、企業のニーズに合わせた柔軟な対応が可能になっています。
導入を検討する際は、自社の業務内容や規模、予算などを考慮しながら、適切なサービスや人材を選定することが重要です。セキュリティ面での懸念や、社内体制との整合性なども十分に確認した上で、段階的に導入を進めていくことをお勧めします。
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