2025年も12月を迎え、残りわずか。HUMAN CAPITAL+では12月の間、2025年に話題になったテーマを取り上げ、BizTRENDにて記事を計3本公開していました。
2025年最後のMONTHLY TOPICで取り上げるのは、「ワークライフバランス」。流行語大賞にも選ばれた新首相の演説で語られた言葉も話題になり、多くの人が関心を持っているテーマです。
これまで多くの企業に取材したライターが、内閣府の調査をもとにその実態を考察していきます。
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2025年12月。「現代用語の基礎知識選 流行語大賞」の年間大賞に、高市早苗首相が所信表明演説で語った「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が、「女性首相」という言葉と共に選ばれました。
ワークライフバランスが叫ばれる近年において、国のトップが高らかにそう宣言したことに大きな信頼を感じた人も多いでしょう。しかし、ワークライフバランスとは、決して「働きたくない」の意思表示ではありません。
内閣府の調査を読み解いていくと、そこからは“働かない選択”ではなく、“生活と仕事をどう両立させるか”という戦略の変化が見えてきました。今、企業には制度の見直しだけでなく、従業員の成果と生活の向上をどう両立させるかという視点が求められているのではないでしょうか。
ワークライフバランスを充実させることは、仕事への意欲低下なのか

「ワークライフバランスを充実させたい」という声は、若い世代特有の価値観のように語られがちです。しかし、公的データを見ると、それが一部の世代の問題ではないことが分かります。内閣府が実施した「仕事と生活の調和推進のための調査研究」によれば、仕事・家庭・育児を含めた生活全体に「満足している」と答えた人は4割に満たず、38.3%にとどまっています。一方で、「どちらとも言えない」と答えた人も31.3%にのぼり、多くの人が、仕事と生活のバランスに対してモヤモヤを抱えている状況がうかがえます。
注目すべきは、この結果が「制度がまったく整っていない」時代の話ではない点です。フレックスタイム制度やテレワーク、育児休業など、ワークライフバランスを充実させる制度は、以前に比べれば確実に増えてきました。それでもなお、バランスが取れていると実感できている人は少数派といえます。このギャップこそが、いま企業が向き合うべき現実だと言えるでしょう。
同調査では、ワークライフバランスを実現するために必要な支援として、「柔軟な勤務制度」を挙げた人が多いことも示されています。特に女性では45.0%、男性でも31.8%が、フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な働き方を重要だと考えています。これは、「働きたくないから楽をしたい」のではなく、仕事を続けるために、生活と両立できる形を求めていると読むほうが自然です。
つまり、「ワークライフバランスを充実させる」という考え方は、意欲の低下ではありません。むしろ、無理のある働き方を前提にしてきたこれまでの仕事の設計に対する、静かな問いかけです。長く働き、成果を出し続けるために、仕事と生活のバランスをどう組み直すか。その課題は、若手だけでなく、企業や社会全体に突きつけられているのです。
「がむしゃらに働かせる」以外に、どんな道があるのか
以前、AIエージェント事業を立ち上げた元コンサルタントから、こんな話を聞いたことがあります。「最近のコンサルは、昔より質が落ちたと感じる」と。
昔のコンサル業界は、とにかくハードでした。長時間労働が当たり前で、プレッシャーも強い。”UP or OUT”(アップ・オア・アウト)とも言われ、成果を出せなければ会社にいることすらできません。成果を出していても、心身に支障をきたし途中で辞めていく人も多い。結果として、最後まで残った人はタフで優秀な人だけです。
昭和~平成初期の企業戦士にとっては、それが会社というものであり、教育だという人もいるでしょう。しかし、それは教育ではなく、ハードな環境に耐えられた人だけが成果を出してきただけのことです。
一方で、まったく逆の話も耳にしました。別の日本のコンサルティング会社の役員に、新卒採用向けの取材をした時のことです。
「人によって成長のスピードは違う。部下の成長をじっと待つのも、仕事のうちだと思っています」
昔の感覚で言えば、少し驚く言葉かもしれません。以前なら、「ついて来られない人は脱落する」という考え方が主流でした。早く伸びる人だけが残り、そうでない人は置いていかれる。ある意味、とても分かりやすい世界です。
けれど今は、そのやり方が取りづらくなっています。人材不足が続き、簡単に人を手放せない。パワハラは許されず、働き方への配慮も求められる。そうした中で、「がむしゃらに働かせて、残った人を評価する」戦略は、リスクの高い賭けになりつつあります。
だからこそ、「成長が遅い人をどう切るか」ではなく、「どうすれば育てられるか、もしくは待てるか」を考える企業が増えてきたのかもしれません。ただし、待つには余裕が必要です。そこで出てくるのが、DXやAIといった仕組みの話です。
ここで大切なのは、DXやAIを「人を楽にする魔法の道具」と考えないこと。むしろ、人の成長スピードや得意・不得意の差を前提にしても、仕事が回るようにするための装置と考えたほうがいいでしょう。昔は、長時間労働や強いプレッシャーが、その役割を担っていました。
若手がワークライフバランスを求めるようになったからといって、それは決して「甘え」を許容するということではありません。求められているのは、成果を人の根性だけに頼らない働き方です。ワークライフバランスを充実させてもパフォーマンスが落ちない、むしろ高める仕組みを作ることが、これからの企業の課題かもしれません。
人が育つ「余白」をどうつくるか――外部リソースという選択肢

部下の成長を見守るのも、上司の仕事と言いましたが、余裕のない会社ではそうも言ってられないでしょう。一定の速度で成長しなければ事業が回らないようであれば、成長を待ってなんていられません。言い換えれば、人が成長するための余白を、どこかにつくる必要があるということです。
ただ、その余白を社内だけで生み出すのは、簡単ではありません。DXやAIによって効率化を進めても、すぐにすべての業務が軽くなるわけではありませんし、現場には「人がやらなければ進まない仕事」も残ります。成長を待ちたい気持ちはあっても、目の前の業務に追われ、結局は誰かに無理がかかってしまう。そんな場面も少なくないでしょう。
そこで、選択肢の一つがフリーランスの活用です。たとえば、経験が浅いメンバーにいきなり難しい仕事を任せるのではなく、専門性が高い部分を経験豊富な外部メンバーに任せる。その間に、社内の人は基礎を固めたり、少し背伸びした挑戦ができる。そう考えると、外部リソースは、単なる「リソースの補充」ではなく、「時間を買う手段」とも言えそうです。
昔は、その役割を、長時間労働や強いプレッシャーなどで担っていました。早く育たなければ置いていかれる。ついて来られない人は脱落する。そうやって、結果的に一部の人だけが成長していく。しかし今は、社会的にもそのやり方を選べませんし、人も集まりません。だからこそ、外部の力を借りながら、より多くの人が成長できる土台をつくろうとしている企業が増えているのです。
もちろん、外部リソースを使えばすべて解決するわけではありません。どの業務を社内に残し、どの業務を外に出すのか。誰を育て、どんな力を身につけてもらうのか。そうした線引きを考えずに使えば、うまくいかないこともあるでしょう。それでも、「人に無理をさせ続ける以外のやり方がある」と知ること自体が、組織戦略の幅を広げます。
ワークライフバランスを重視する若手の増加は、企業にとって制約ではなく、問いかけです。限られた人材で、どうすれば成果を出し続けられるのか。どうすれば、人が育つ時間を守れるのか。 外部リソースの活用は、その問いに対する答えの一つとして、検討に値する選択肢なのかもしれません。
外部の力を、組織の余白として取り入れるという選択肢
ワークライフバランスを充実させながら成果を出す。そのために、すべてを社内の人材だけで抱え込む必要はありません。業務が増え、人材が足りないからといって、誰かに無理を強いる設計を続ければ、結局は組織の持続性を損なってしまいます。
そこで一つの選択肢となるのが、フリーランスの活用です。必要なスキルを、必要なタイミングで取り入れることで、既存の従業員が本来向き合うべき仕事や成長に集中できる余白を生み出す。外部リソースは、単なる人手不足の穴埋めではなく、組織のバランスを整えるための装置として機能します。
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