エンジニアを業務委託で採用するには?企業側のメリット・費用・契約時のポイントを解説

エンジニア採用が難化する中、注目を集めているのが「業務委託」という柔軟な人材活用です。正社員や派遣と異なり、必要なスキルを必要な期間だけ確保できる点から、IT領域を中心に導入が進んでいます。
本記事では、業務委託の基本からメリット・デメリット、料金相場、契約時の注意点までを解説。初めて導入を検討する採用担当者やプロジェクト責任者の方に向けて、実務に役立つ情報をまとめています。

そもそも、なぜ今エンジニアの業務委託活用が増えているのか?

IT人材不足と採用難の深刻化

近年、DXの加速によりエンジニア需要は右肩上がりに増加。一方で人材の奪い合いが続き、正社員採用の競争は激化しています。リモート勤務の普及により地理的な制約が薄れたことで、全国・海外からも人材を取り合う構図が加速しています。

「2025年の崖」と内製化ニーズの高まり

老朽化した基幹システムの維持により年間12兆円の損失が生じるとされる「2025年の崖」への対応として、企業は“外注任せ”から“内製化”への転換を急いでいます。内製を進めたくても、ノウハウや人材が不足している現実があり、即戦力となる業務委託人材への注目が集まっています。

正社員や派遣だけでは補いきれない現実

正社員採用には数ヶ月かかる上、育成コストも高くつきます。一方、派遣では専門性が足りないことも。業務委託なら、スキル・経験のある人材をすぐに迎え入れ、短期プロジェクトや高難度業務にも柔軟に対応できます。

業務委託を活用するメリット・デメリットとは?

業務委託とは、企業が業務の一部または全部を外部の個人・法人に委託する契約形態のことです。業務委託契約は、正社員や派遣と比べて柔軟性が高く、必要なスキルを短期間で確保できる点が最大の魅力です。特にIT・開発領域では、フルタイムの採用が難しい状況でも、フリーランスや業務委託の形で人材を確保する動きが加速しています。

ただし、その反面、管理の難しさや、社内との連携の工夫が必要になる点も理解しておくべきです。

● メリット

1. 必要なスキルを必要な期間だけ確保できる
業務委託であれば、フルタイムの雇用では実現できないようなスポット的な支援や、専門スキルに特化した支援を受けられます。特に短期プロジェクトや、特定技術領域における即戦力が必要な場合に適しています。

2. 採用コスト・教育コストの削減
正社員の採用には平均で数十万円以上のコストがかかり、育成期間も必要です。一方、業務委託は、初期コストを抑えながら即戦力を活用できるため、コストパフォーマンスに優れています。

3. 雇用リスクがない
労働契約ではないため、退職や解雇に伴うリスクを負わずに契約更新の判断ができます。業績悪化時のリスク回避にもつながります。

● デメリット

1. コミュニケーションが限定的になりやすい
社内メンバーと異なり、業務委託人材とは情報共有や連携に壁が生まれやすい傾向があります。ドキュメント化や定例ミーティングの設計など、仕組みでカバーする必要があります。

2. 継続性・属人化の懸念
契約期間終了後の引き継ぎや、業務の属人化リスクを考慮し、ナレッジ共有の仕組みやドキュメント整備が不可欠です。

業務委託を活用する際に企業が理解しておきたい契約の基本

採用形態 契約形態 柔軟性 費用構造
正社員 雇用契約 固定費+育成費用
派遣 派遣契約 時給+手数料
業務委託 準委任/請負 月額・人月単価

業務委託には主に「請負契約」と「準委任契約」の2つがあり、それぞれ報酬発生の条件や責任範囲が異なります。

請負契約と準委任契約のどちらを選ぶべきかは、委託する業務の内容と目的によって異なります。たとえば、明確なアウトプットがある一括受注型の開発案件や成果納品が必要なプロジェクトであれば、請負契約が適しています。一方で、システム保守・改善・運用サポートや、開発チームへのリソース追加など、業務の遂行プロセスそのものに価値があるケースでは、準委任契約の方が現実的です。

エンジニア業務委託の料金相場とは?費用感の目安

業務委託契約において、もっとも気になるのが費用面でしょう。特にエンジニア領域では、スキルの専門性や経験年数、稼働日数によって費用に大きな差が出るため、あらかじめ相場感を把握しておくことが重要です。

一般的に、フリーランスエンジニアの月額単価は60万〜100万円程度が中心価格帯となります(週5常駐の場合)。
一方で、週2〜3日など稼働を絞った契約も可能なため、必要な分だけコストを抑える設計も可能です。

スキル・ポジション例 月額相場(目安) 稼働条件 備考
フロントエンドエンジニア(中堅) 70〜90万円 週5日常駐 Vue/Reactなど
バックエンドエンジニア(経験5年以上) 80〜100万円 週5日 or リモート併用 Java, Goなど
PM・PMO 90〜120万円 週3〜5日 顧客折衝・チーム管理含む
データエンジニア 80〜110万円 週3〜5日 分析基盤設計等

導入時に気をつけたいポイントと成功のコツ

実際に業務委託を導入しても、社内にノウハウがなければ、思ったような効果が出ないケースもあります。スムーズに進めるためには、以下のような準備と工夫が重要です。

1. 社内チームとの連携体制を構築する
フリーランスや業務委託メンバーは社内のフルタイムメンバーとは違うため、認識のズレや孤立を防ぐコミュニケーション設計が不可欠です。SlackやNotionなどのツールも活用し、情報共有の透明性を保ちましょう。

2. 業務の切り出し方を工夫する
「何を任せるか」を明確にしないと、委託側・受託側双方が困ります。タスク単位・成果物単位で業務を整理し、責任範囲や納期を言語化しておくとスムーズです。

3. 評価基準をすり合わせておく
準委任契約では、成果物の納品ではなく「業務遂行」が報酬対象です。そのため、どこまでやれば完了なのか、どういう状態であれば満足なのかといった評価軸を定めておくことが大切です。

まとめ|業務委託は“採用難時代”の有効な選択肢

採用競争が激化し、正社員を採用しづらくなっている今、「必要なスキルを、必要な期間だけ確保できる」という点で、業務委託は非常に有効な手段です。

特にエンジニアやデジタル人材の確保が難しい領域では、柔軟で即戦力性の高い業務委託の活用が事業成長のカギとなるケースも増えています。

とはいえ、契約形態や人材管理の工夫が求められる分、適切な支援パートナーを選ぶことも成功のポイントです。

TECHBIZでは、継続稼働率97%を実現する高精度マッチングと、契約支援・導入後フォローまで含めたトータルサポートで、業務委託活用を初めて導入する企業様からも高い評価をいただいています。

「まずはどんな人材がいるか知りたい」「業務委託導入の流れだけでも聞いてみたい」といった方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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執筆者
HUMAN CAPITAL + 編集部

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