「万博に学ぶ体験設計」:組織を活かすハイブリッド型の働き方「大阪・関西万博」特集①

万博に学ぶ体験設計:組織を活かすハイブリッド型の働き方「大阪・関西万博」特集①

2025年10月、閉幕を迎える大阪万博。多彩なパビリオンや展示が話題に上がる中、実は世界から注目を集めていたのがバーチャル空間での「Virtual EXPO」です。会場に行けない人でも、オンラインで予約・入場して展示を巡ることができる新しい体験。

このようなリアルとデジタルを掛け合わせた「ハイブリッド体験」の恩恵を受けられるのはイベントだけではありません。企業の組織に、いかにハイブリッド体験を活かせるのか見ていきましょう。

万博に学ぶ体験設計:大阪万博に見る「ハイブリッドUX」

万博に学ぶ体験設計:大阪万博に見る「ハイブリッドUX」
※画像はイメージです。大阪・関西万博の実際の「Virtual EXPO」とは異なります。

大阪・関西万博の目玉のひとつが、リアル会場と並んで展開されるVirtual EXPO」です。開催場所に行けない人でも予約をしてバーチャル空間に入場し、アバターを操作しながらパビリオンや展示を巡れる仕組み。ボイスチャットで近くにいる人と会話したり、拍手やスタンプで感情を伝えられたり、画面越しでも偶発的な出会いが生まれるよう設計されています。まさに「万博の体験」をオンラインに拡張した新しい挑戦だと言えるでしょう。

面白いのは、Virtual EXPOが単なる代替手段ではない点です。現地で展示を体験した人が、あとからオンラインでもう一度パビリオンを訪れることができる。逆に遠方の人は、バーチャルから参加しつつ同じ体験を共有できる。リアルとデジタルが補完し合い、体験を何度でも立ち上げられるようになっているのです。

この発想は、コロナ禍で多くの企業が導入した「バーチャルオフィス」にも重なります。oViceやGatherといったサービスを使って、リモートでもオフィスの雰囲気を感じられるようにした企業は少なくありませんでした。SlackやTeamsなどの業務連絡だけでは生まれない、人の気配や“雑談の余白”をデジタルで再現しようとしたわけです。

大阪・関西万博のVirtual EXPOも同じ発想です。パビリオンや展示をただ見せるだけではなく、人と人との出会いを「体験の一部」としてあらかじめ組み込んでいる。だからこそ「現地に行けない人の救済」ではなく、「リアルとバーチャルが一体となった体験」として成立しているのです。

万博に学ぶ体験設計:企業にとっての「ハイブリッド体験」

万博に学ぶ体験設計:企業にとっての「ハイブリッド体験」
※画像はイメージです。大阪・関西万博の実際の「Virtual EXPO」とは異なります。

Virtual EXPOによるリアルとオンラインのハイブリッド体験は、企業にとっての社員体験(EX)にも、そのまま応用できます

たとえば採用や入社プロセス。バーチャル空間で入社前にオフィスを歩いたり、先輩社員と話せたりすれば不安は軽くなる。入社前から“会社に触れる体験”を提供することで、スムーズなオンボーディングが可能になるでしょう。

日常のコミュニケーションでも課題は似ています。社員がアバターで移動しながら声をかけ合える仕組みをつくれば、オンラインでも“近くにいる感覚”を再現できます。SlackやTeamsの業務チャットに加え、空間を共有するEXPO的な体験を取り入れることで、偶発性のある交流を設計できるでしょう。

さらに、学びやキャリア開発の場面でもハイブリッド設計は有効です。オンライン研修だけでは実践や共有につながりにくい。でも、リアルでの挑戦機会とバーチャルでの共有の場を組み合わせれば、「学び→実践→成果の可視化」という一連の体験をつくれます

結局のところ、社員がどこにいても、リアルでもバーチャルでも一貫した体験を得られるかどうかがエンゲージメントを大きく左右します。ハイブリッドによる社員体験は働き方の工夫にとどまらず、組織の未来を決める戦略的なテーマになっていくでしょう。

万博に学ぶ体験設計:ハイブリッド体験がフリーランスを巻き込む

万博に学ぶ体験設計:ハイブリッド体験がフリーランスを巻き込む

ハイブリッドな体験設計の魅力は、社員だけにとどまりません。実はフリーランスにとっても大きな意味を持ちます。多くの企業が直面するのは「フリーランスがチームに溶け込みにくい」という課題です。どうしても物理的に同じ場所にいないため、会議やチャット以外のコミュニケーションが希薄になりやすい。プロジェクトに必要な情報や“会社の空気感”に触れる機会が限られるので、外注的な関わりにとどまってしまうことも少なくありません。

フリーランスを社内バーチャル空間に招待すれば、雑談や立ち話のような余白のコミュニケーションが生まれやすくなります。プロジェクト会議だけでは見えなかった人柄や雰囲気が伝わり、フリーランスも「自分はこのチームの一員だ」と感じやすくなる。結果的に、単なる業務委託ではなく、会社のファンとしてより積極的に貢献してくれる可能性が高まります

業務委託だからといって、単なる受注関係にいるのはもったいない。エンゲージメントを高めることで、フリーランスの方のパフォーマンスも高められるはずです。ハイブリッドな体験は、社員とフリーランスをつなぎ、共に成果を出すための土台になるでしょう。

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ハイブリッドな体験を社内に根づかせようと思っても、「フリーランスをどう探せばいいのか」「本当に自社に合う人材と出会えるのか」と不安に感じる方は少なくありません。そんなときに頼れるのが、専門エージェントの存在です。

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編集後記】バーチャルオフィスで感じた“雑談”の価値

実は私自身も、以前は業務委託としてバーチャルオフィスを導入している企業で働いていたことがあります。面白かったのは、会議が終わったあともそのままバーチャル空間に“残れる”こと。退出ボタンを押さずにその場にいると、社員の方が声をかけてくれて雑談が始まるんです。仕事の話だけではわからなかった一面を知ることができて、次の会議でも話しやすくなったのをよく覚えています。

最近は出社が増えた影響もあって、バーチャルオフィスの話題を耳にする機会は減りました。ただ、コロナ禍の当時は必要に迫られて導入していた企業が多かったものの、今は出社とリモートワークを組み合わせる「ハイブリッド型」が主流になりつつあります。だからこそ、あのときの仕組みを「一過性のツール」として終わらせず、もう一度見直す価値があるのではないでしょうか。大阪・関西万博がバーチャルとリアルを掛け合わせて新しい体験を生み出しているように、企業も働き方の“体験設計”をアップデートしていくタイミングに来ているのだと思います。

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鈴木光平
執筆者
鈴木光平

10年にわたって、フリーライターとして活動。テックビズのライターとしても活動中。主にスタートアップ界隈を中心に起業家や投資家などを取材、記事の執筆などを行ってきました。貴重な話を聞いてきた経験から、少しでも役に立つ情報をお届けします。

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