2026年の幕開けにあたり、BizTRENDでは「今年注目のビジネス領域」をテーマに、これからの企業活動に影響を与えそうな動きを取り上げていきます。市場環境や技術の変化が加速するなかで、これまで当たり前だと思われてきた価値観や手法が、静かに見直され始めています。
今回注目するのは、一見すると感覚的で、ビジネスとは距離があるように見られてきた「香り×マーケティング」領域。技術の進化や企業の取り組みを追っていくと、そこには事業戦略やマーケティングの考え方そのものを変えうるヒントが隠れていました。これまで多くの企業やスタートアップを取材してきた視点から、2026年に向けて広がりを見せる新たなビジネスの可能性を読み解いていきます。
ハイスキル・即戦力人材の採用にお困りならTECHBIZ
最短・即日で企業様にマッチした人材をご紹介【無料】お問い合わせはこちら →
AIの進化によって、これまで感覚的なものとされてきた領域が、次々とビジネスの言葉で語られるようになっています。その一つが「香り」です。香りやアロマは、人の記憶や感情に強く働きかけることが知られてきましたが、その効果は長らく数値化しにくく、マーケティングの世界では補助的な存在にとどまってきました。
しかし近年、香りをデータとして扱い、再現性をもって活用する技術が進んだことで状況は変わり始めています。香りは「雰囲気づくり」ではなく、ブランドの印象を設計し、顧客の記憶に残すためのマーケティング要素として注目されるようになりました。実際、香りを活用した体験設計や空間づくりは、事業成果やブランド価値の向上につながる施策として語られ始めています。
香りは本当に、ビジネスに効果をもたらすのか。そして、なぜ今になって「香り×マーケティング」が戦略として語られるようになったのか。本記事では、技術の進化を背景に変わりつつある香りの位置づけから、マーケティングや組織戦略に広がる変化を読み解いていきます。
「香り×マーケティング」に大きな変化が。AIの進化で実現可能に?

これまで香りは、「人それぞれ感じ方が違うもの」「再現するのが難しいもの」と考えられてきました。アロマや香りが心地よさを生み、記憶に残りやすいことは知られていましたが、その効果を数値で示し、マーケティング施策として説明するのは簡単ではありませんでした。そのため香りの活用は、マーケティングの中でも雰囲気づくりや演出といった位置づけにとどまり、どちらかというと“後付け”の存在だったと言えるでしょう。
しかし近年、その前提が変わり始めています。香りをデータとして扱う技術が進み、香りに関わる市場も世界的に拡大しています。株式会社グローバルインフォメーション社の調査によると香りをデジタルに扱う関連市場は、2030年には19億8,000万米ドルに達し、CAGR 7.33%で成長すると予測されています。香りが感覚の世界にとどまらず、マーケティングや事業戦略に活用できる領域へと移りつつあることが、この数字からも読み取れます。
この変化を支えているのがAIの進化です。AIを活用することで、香りを言葉や数値に置き換え、分析したり再現したりできるようになってきました。たとえば、「落ち着く」「高級感がある」といったブランドイメージをもとに香りを設計したり、来訪者の属性や目的に合わせてアロマの配合を変えたりする取り組みも登場しています。国内でも、展示場やオフィス空間で、マーケティング効果を意識して香りを使い分けるケースが増えてきました(※)。
持ち帰ってもらいたい記憶や印象に合わせて、AIを使って香りを設計する。以前、「AI×香り」に取り組むスタートアップに話を聞いた際には、社歌のように企業独自の香りをつくり、オフィスや名刺、空間全体でブランドを表現する構想も語られていました。
香りはもはや感覚に頼るだけのものではありません。ブランドの印象や記憶に働きかけ、効果を設計できるマーケティング要素として、戦略的に活用される時代が訪れています。
※香りマーケティング導入事例
参照②:@aroma 導入事例
香りマーケティングから見える、事業づくりとしてのマーケティング

香りがマーケティングに戦略的に組み込まれるようになり、マーケティングもまた戦略的に事業に組み込むのが主流になりつつあります。以前、とある成長中のスタートアップでCMOを務める方に取材したときのことです。その方は、こんな言葉を口にしていました。
「マーケティングは、売れないものを売れるようにする魔法ではありません。売れるものを最初から設計する仕事です」
かつて、マーケティングといえば広告やプロモーションをイメージする方が少なくなかったといいます。しかし、その企業では、プロダクトの仕様や体験設計の段階からマーケティングの視点が入り、「誰に、どんな価値を、どう感じてもらうか」を起点に事業を組み立てているとのこと。マーケティングは後から足すものではなく、事業の土台そのものになっていたのです。
こうした考え方は、採用の現場にも表れています。筆者は仕事柄、多くのスタートアップの採用記事を取材していますが、近年、事業責任者やプロダクト責任者の募集要件に「マーケティング経験」を含める企業が明らかに増えていると感じます。話を聞いてみると、「市場を理解し、顧客視点で事業を設計できる人」を求めているのです。
香りの活用が、演出ではなく体験設計の一部になってきたのと同じように、マーケティングもまた、事業をつくるための考え方として位置づけ直されています。現場で話を聞くほどに、マーケティングと事業責任者の境界は、確実に薄くなってきていると感じます。
フリーランス活用も「あとづけ」から「戦略の一部」へ

この構造の変化は、人材の使い方にも当てはまります。かつてフリーランスの活用といえば、「人手が足りないから一時的にお願いする」「社内でできない作業を外注する」といった、リソース補填の意味合いが強いものでした。ここでも、フリーランスはどちらかというと“あとづけ”の存在だったと言えます。
しかし近年、その前提も変わりつつあります。フリーランスとして働く人が増え、専門性の高い人材も豊富になりました。さらに、フリーランス活用を前提に組織設計や事業設計を支援するサービスも登場しています。その結果、「足りないから使う」のではなく、「最初からどう組み合わせるか」を考える企業が増えてきました。
香りをマーケティング戦略に組み込むのと同じように、フリーランス活用も事業や組織の設計段階から考える。そうすることで、企業はより柔軟に、スピーディに挑戦できるようになります。香りも人材も、あとから足すものではなく、最初から設計に組み込むものへ。その変化こそが、いま多くの企業に共通して起きていることなのかもしれません。
変化を前提にした事業づくりを、外部の力とともに
香りをマーケティング戦略に組み込み、フリーランス活用を事業設計の前提にする。こうした考え方に共通しているのは、「すべてを社内で完結させない」という姿勢です。市場や技術の変化が激しい時代においては、固定化された組織よりも、状況に応じて柔軟に形を変えられる体制が求められています。
テックビズは、そうした変化を前提にした組織づくりを支援するフリーランス活用サービスです。単なるリソース補填ではなく、企業の課題やフェーズを踏まえたうえで、必要な専門性を必要なタイミングで取り入れることを重視しています。継続稼働率97%という実績は、スキルだけでなく、事業やチームとの相性まで考慮したマッチングを行ってきた結果です。
事業戦略や組織設計の段階から、外部の知見をどう活かすかを考える。その選択肢として、テックビズは企業の挑戦を支える存在であり続けています。
最短・即日で企業様にマッチした人材をご紹介
【無料】お問い合わせはこちら編集後記:香りが“届く”時代は、もう始まっている
2025年の大阪・関西万博の取材で、とある企業のVIPプログラムに参加させてもらったことがあります。通常はその企業のクライアントなどを招待する場で、万博会場内でありながら一般公開されていないエリアです。決して広い空間ではないものの、そこにはその企業が関わる最先端の技術がいくつも展示されていました。
なかでも強く印象に残ったのが、「においが出るテレビ」と呼ばれる展示です。香りを逃がさないため、ブースは密閉され、内部には香りを噴出する装置とモニターが設置されていましたる。モニターには、満開の桜の風景や和菓子の映像など、香りを想起させる映像が次々と映し出され、その内容に合わせて装置から香りが漂ってきます。
正直に言えば、私は決して香りに敏感なタイプではありません。それでも、映像とリンクして立ち上がる香りをはっきりと感じ取ることができ、その体験に驚かされました。視覚と嗅覚が結びつくことで、想像以上にリアルな体験が生まれるのです。
もし、こうした技術が家庭のテレビにも搭載されたらどうなるだろうか。これまで芸能人が言葉で伝えてきた風景や料理の香りを、そのまま視聴者に届けることができる。映像だけでは伝えきれなかった情報が加わることで、購買意欲を強く刺激する可能性もあるはずです。
もちろん、現時点では装置はまだ大きく、すぐに普及するとは言い難いでしょう。しかし、「香り×マーケティング」はもはや遠い未来の話ではありません。その足音は、確実に私たちのすぐ近くまで来ていると感じた取材体験でした。
ハイスキル・即戦力人材の採用にお困りならTECHBIZ
最短・即日で企業様にマッチした人材をご紹介【無料】お問い合わせはこちら →
即戦力人材の採用にお困りではありませんか?ハイスキルなITエンジニアをスムーズに採用できる【テックビズ】
TECHBIZでは優秀なITフリーランス人材をご紹介しています。スキルのみならず人柄も踏まえ、企業様にマッチした人材を、最短で即日ご紹介できます。即戦力人材の採用にお困りの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。







