【6/20開催イベントレポート】リファラル×認知科学で描く!新時代の組織デザイン

【6/20開催イベントレポート】リファラル×認知科学で描く!新時代の組織デザイン

HUMAN CAPITAL +

編集部

「HUMAN CAPITAL +」の編集部です。社会変化を見据えた経営・人材戦略へのヒントから、明日から実践できる人事向けノウハウまで、<これからの人的資本>の活用により、企業を成長に導く情報をお届けします。

6月20日(金)、恵比寿のテックビズ本社にて開催された「リファラル×認知科学で描く!新時代の組織デザイン」のイベントの様子をレポートします。

イベントについて

組織づくりにおけるリファラル採用と認知科学という、一見異なる領域を掛け合わせた今回のテーマ。講演や対話を通じて、“自律的に成長する組織とは何か”を参加者とともに考える場となりました。

  • 日時:2025年6月20日(金) 17:00〜20:00
  • 会場:株式会社テックビズ イベントスペース(恵比寿ビジネスタワー3F)
  • 主催:株式会社UNCOACH、株式会社テックビズ

▶イベント詳細ページ:https://peatix.com/event/4385988/

イベントの様子

第1部:講演

イベントは、乾杯の合図で和やかにスタート。会場が程よく打ち解けたところで、株式会社テックビズ HRBIZ責任者の藤村さんによる講演が始まりました。

登壇①:藤村 大輔 氏(株式会社テックビズ)

藤村さんからは、テックビズ社内での実践を踏まえた「リファラル戦略」の構築方法について解説いただきました。

キーワードは「リファラビリティ」=紹介したくなる組織。そのために必要な考え方や仕組み、文化づくりについて、攻めと守りの両面からお話が展開されました。

  • 要員計画:利益予測をもとに部署単位で人件費比率から採用数を算出。雇用形態にこだわらず必要人材を定義
  • 認知施策:週2回の社内アナウンスや、紹介のインセンティブ制度でリファラル文化を浸透。社員の80%をリファラルでカバーする設計
  • 魅力づくり(攻め):高年収水準、フレキシブルな働き方、社員公募制度、ベビーシッター手当など多様なベネフィット
  • 守りの設計:ジョブ型契約での責任明確化、バーンアウト対策、候補者体験(CX)の徹底など、候補者から選ばれる企業設計

「紹介したくなる組織とは何か?」という本質的な問いに立ち返り、制度と文化の両輪で戦略を組むことの重要性が語られました。

登壇②:小野 洋平 氏(株式会社UNCOACH)

続いて登壇したのは、認知科学に基づく組織開発を支援する株式会社UNCOACHの小野さん。

エンゲージメントとは何か?どのように高めるのか?」という切り口で、未来志向の組織づくりのあり方について展開されました。

  • エンゲージメントとは?
    組織の未来に対する期待感。組織の現状に対するロイヤルティや満足度とは異なり、「この会社と一緒に未来をつくっていきたい」と思える状態
  • 高め方のヒント
    社員の“コンフォートゾーン”を未来に置けるようにする。つまり「私達はこうあるべきだ」「そこに向けて成長して行きたい」という無意識を作り出し、勝手に動き出す環境をつくる
  • リファラルとの接点
    「紹介したい」と思えるのは、“組織の未来に期待できる組織”であることが前提となる。組織の現状に満足しているだけでは、既得権を守るため紹介しないという選択もあり得る

現場でよくある「宗教っぽさ」への懸念に対しても、高い目標が掲げられていて現状維持に陥っていない組織においては「エンゲージメントが高すぎて困ることは無い」と言う意見が示されました。エンゲージメントの高い人しか残らない組織」ではなく、共通の未来像に向かう設計が重要だと示されました。

第2部:トークセッション

「制度設計 × エンゲージメント」から見るリファラル組織のつくり方

ここからは藤村さんと小野さんによる濃密な対談パートへ。

業務委託でもエンゲージメントは築けるのか?

小野氏:テックビズのように業務委託中心でもリファラルが機能しているのはなぜ?

藤村氏:「雇用形態は関係ない」と思っています。実際に辞めずに成果を出してくれている、それが証拠。業務委託のメンバーも正社員と同様に評価され、働く動機や関係性は“雇用契約”ではなく“信頼”に基づいています。

制度か?文化か?成功のカギはどちらにある?

小野氏:リファラルが根付いている理由は、制度と文化のどちらが効いている?

藤村氏:両方。ただし最初に整えたのはソフト(文化)でした。成果を出す人に報いたいという思想が根底にあって、そのあと制度(ハード)を強化してきました。

評価と昇格:業務委託でも厳格な運用?

藤村氏:週4以上稼働の業務委託メンバーは全員評価対象。報酬、昇格、降格も、正社員と同じように設計しており、パフォーマンスベースで判断しています。分け隔てない一方で、そこに伴うコストや摩擦(特にエンジニアなど定量評価が前提の職種)も課題です。

ベネフィット設計:ユニークな取り組みも多数

小野氏:福利厚生として“ネイル”を提供している会社もあると聞きます。「目に見える形で恩を感じてもらう」のが狙いらしいです。面白いですよね(笑)

藤村氏:テックビズでも様々なベネフィットを提供していますが、利用されない施策はトライアンドエラーでやめる。話題に上がらなくなったものは自然と廃止するなど、運用は柔軟です。

リファラル文化の育て方

  • 人事から積極的に「紹介してほしい」とコミュニケーションする
  • カジュアル面談を導入することでハードルを下げる
  • 全社に紹介希望リストを掲示し、“採用は全員の仕事”という意識を根付かせる
  • 紹介後に不合格でも再チャレンジが可能な仕組みでリスクを減らす

藤村氏:「紹介された人が落ちても、再面談は3ヶ月後にできるようにしています。“とりあえず受けてみない?”と言える状態を保つのがポイント」

小野氏:「リファラルに対する目標や考え方を壁に掲げるのは有効。目標が壁に貼られているだけで達成確率は上がる。」

第3部:交流会

軽食を囲みながらのネットワーキングでは、同じような課題を抱える人事・経営層同士がリアルな対話を交わす時間に。

「うちもまさに同じ壁にぶつかっている」「あの制度設計は参考になった」といった声が飛び交い、会場は終始熱気に包まれていました。

参加者の皆さまの感想

・色々な企業の採用課題について本音を聞け、大変参考になりました!
・昔と今の採用、考えを知ることができ、とても良かったです!
・テーマコンテンツもとても勉強になりましたし、交流会の時間もあったので色んな方と出会えました!

イベント担当者より

From HRBIZ運営事務局

組織づくりに正解はありませんが、共に悩み、考える仲間がいることは、前進する大きな力になります。HRBIZでは、今回のような実践的かつ対話を大切にしたイベントを、今後も継続して開催していきます。

From 株式会社UNCOACH

変化の激しい時代において、組織が持続的に成長していくには“個の自律”と“つながり”の両立が不可欠だと考えています。今回のイベントが、その第一歩となっていれば嬉しいです。今後も対話を通じて学び合える場をつくっていきます。

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今後もHRBIZでは、人事・組織開発に関わる皆さまと共に学べる場を定期的にご用意しています。次回のご参加も心よりお待ちしております。


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執筆者
HUMAN CAPITAL + 編集部

「HUMAN CAPITAL +」の編集部です。 社会変化を見据えた経営・人材戦略へのヒントから、明日から実践できる人事向けノウハウまで、<これからの人的資本>の活用により、企業を成長に導く情報をお届けします。

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