経理BPOサービスとは?導入メリットと選び方のポイントを徹底解説

経理BPOサービスとは?導入メリットと選び方のポイントを徹底解説

経理部門の人材確保に悩む企業が増えています。人材確保が難しい上に、採用コストの上昇や業務の属人化など、さまざまな課題を抱える企業が増えているのが現状です。 このような状況を解決する手段として注目を集めているのが「経理BPO」です。本記事では、経理BPOについて、基礎的な内容から実際の導入方法まで、経営者や人事担当者の方にもわかりやすく解説していきます。

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1. 経理BPOサービスとは?基礎から仕組みまで解説

経理BPO(Business Process Outsourcing)は、企業の経理業務を外部の専門事業者に委託するサービスです。単なる業務委託やアウトソーシングとは異なり、業務の効率化や標準化、さらにはデジタル化まで含めた包括的なサービスを提供します。

たとえば、通常の業務委託では「請求書の処理」という作業だけを外部委託しますが、BPOでは請求書の受け取りから、データ化、システムへの入力、承認ワークフローの構築、支払処理までを一貫して任せることができます。

経理BPOで委託できる業務範囲

経理BPOで委託できる業務は、企業のニーズに応じて柔軟に設定できます。主な業務範囲を見ていきましょう。

  • 仕訳入力・帳簿作成
    日々の取引を会計システムに入力し、総勘定元帳などの帳簿を作成する業務です。BPOでは、AIやOCRを活用して効率的に処理を行います。
  • 売掛金・買掛金管理
    請求書の発行から入金管理、支払管理まで一括して対応します。督促業務や与信管理なども含めることができ、資金繰りの改善にも貢献します。
  • 月次決算業務
    毎月の締め作業から財務諸表の作成まで対応可能です。税理士とも連携して、正確な決算書類を作成します。
  • 給与計算・支払業務
    勤怠管理との連携や社会保険料の計算、給与明細の作成まで一貫して行います。

経理BPOの費用体系について

経理BPOの費用は、大きく分けて初期費用、基本料金、従量料金の3つで構成されています。

  • 初期費用
    業務フローの分析や設計、システムの導入費用などが含まれます。一般的に30万円から100万円程度が目安となり、業務の複雑さや規模によって変動します。
  • 基本料金
    月々の固定費用です。通常15万円から30万円程度で、委託する業務の範囲によって決まります。この中には、担当者の人件費や基本的なシステム利用料が含まれています。
  • 従量料金
    処理する取引件数に応じて発生する変動費です。1件あたり500円から2,000円程度で、業務の種類や難易度によって単価が設定されます。

2. 経理BPOサービスのメリット・デメリット

メリットを詳しく解説

  • コスト削減効果
    般社団法人日本BPO協会の調査によると、経理部門の人件費と比較して平均20-30%のコスト削減が実現できています。これは、業務の効率化とスケールメリットによるものです。
  • 業務品質の向上
    BPO事業者は多数の企業の経理業務を手がけており、ベストプラクティスを活用できます。また、複数人でのチェック体制により、ミスを未然に防ぐことができます。
  • 業務効率化
    デジタル技術の活用が鍵となります。請求書のデータ化やシステム連携により、手作業での入力作業を大幅に削減できます。これにより、従来の業務時間を約60%削減できたという報告もあります。

デメリットと対策

  • 初期コストの発生
    BPO導入の際の課題となります。システムの導入や業務フローの見直しには、ある程度の投資が必要です。ただし、この投資は中長期的な効率化によって回収が可能です。
  • 社内ノウハウの流出リスク
    計画的な対策が必要で、すべての業務を外部委託するのではなくコア業務は社内に残すなど、適切な切り分けが重要です。また、定期的な報告会や勉強会を通じて、社内のナレッジ維持を図ることも効果的です。

3. 経理BPOサービス選びで失敗しないためのポイント

信頼できるBPO事業者の選定基準

  • 実績と専門性の評価
    BPO事業者選びの基本となります。業界での実績年数、公認会計士や税理士などの有資格者の在籍状況、類似規模の企業での導入実績などを確認しましょう。特に、自社と同じ業界での導入実績があるかどうかは重要なポイントです。
  • セキュリティ対策
    プライバシーマークやISO27001認証の取得状況を確認するとともに、具体的なデータ保護体制について説明を求めましょう。特に、機密情報の取り扱いルールや、セキュリティ事故発生時の対応フローについては、詳細な確認が必要です。
  • サポート体制
    専任の担当者が配置されるか、問い合わせ対応の時間帯、緊急時の連絡体制などを確認します。また、トラブル発生時の補償内容についても、事前に確認しておくことが重要です。

4. 経理業務の外部委託:BPOとフリーランス活用の比較

経理業務の外部委託方法として、BPOとフリーランス活用にはそれぞれ特徴があります。

BPOは、組織的なサポート体制が整っており、業務の標準化や効率化を図りやすいという特徴があります。一方で、契約内容による制限があり、柔軟な対応が難しい場合があります。

フリーランス活用は、必要な時に必要なスキルを持つ人材を柔軟に確保できる点が魅力です。ただし、人材の質にばらつきがあり、長期的な安定性という面では課題があります。

まとめ:自社に最適な経理業務の外部委託方法を見つけるために

経理業務の外部委託を成功させるためには、自社の状況を正確に把握し、適切な方法を選択することが重要です。

現状の課題を明確化することから始めましょう。単なる人手不足なのか、業務効率化が必要なのか、それとも専門性の向上が求められているのか。課題によって最適な解決方法は異なります。

また、導入による効果を測定するため、具体的な数値目標を設定することも大切です。コスト削減額や業務時間の短縮など、定量的な指標を決めておくことで、導入後の評価がしやすくなります。

段階的な導入を計画することも、リスクを抑えるポイントです。まずは一部の業務から始めて、効果を確認しながら範囲を広げていくアプローチが推奨されます。

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執筆者
HUMAN CAPITAL + 編集部

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