SESの中には“スキル不足での退場”をエンジニアに通達すべきか、悩んでいる企業もいるのではないでしょうか。「他社の状況はどうなんだろう?」「スキル不足以外にも言語化できていない要因がある気がする」など、クリアにしたい部分もあると思います。
本記事では、テックビズでシニアコンサルタントとして働く太田里美さんに「SESでスキル不足から退場になるケース」についてインタビュー。「SESの営業」の経験もあり、キャリアコンサルタントの資格も持つ“キャリアのプロ”がSES業界の実情やエピソードを話しています。悩みや状況をクリアにするヒントになるかもしれないので、ぜひ最後まで目通してみてください。
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テックビズでシニアコンサルタントとして働く太田さんは、キャリアコンサルタントの資格も持つ“キャリアのプロ”です。
前職ではSES企業の営業を経験するなど、長くIT業界で働く太田さんに「SESでスキル不足から退場」になるケースや、その実情などについて話を聞きました。
SESでスキル不足から退場になるケースとは?“スキル不足”だけが理由ではない、という実情

ーー「SES スキル不足 退場」というキーワードで、インターネットで一定数の検索があるというデータが出ています。「即戦力人材採用のリアル」では過去の記事で、「SESの社員(エンジニア)は一度配属された案件を変えてもらうのはなかなか難しい」というコメントがあったこともあり、「スキル不足で退場ってどんな状況だと起こるんだろう?」と気になりました。SES企業での営業経験を含め、太田さんの見解を伺えますでしょうか?
太田さん:前提として、SES企業でエンジニアが「スキル不足なのに面談が通ってしまって案件に参画することになり、結果として退場になった」というパターンも本当にあります。とはいえ、これに関しては、他にもいろいろなケースがあるのが実情です。
そのうちのいくつかを挙げるとすれば、一つは“仕事のやり方が現場ごとに違う”というのがあるかと。
たとえば、スピード感を重視する現場であれば、じっくり丁寧に仕事をする人よりも、スピーディーな作業に慣れている人のほうが評価されやすいです。
これは言ってしまえば、各企業において少なからず存在する“仕事の進め方の相性”的なものですよね。
もう一つは、スキル不足というより“コミュニケーション不足”のようなパターンです。
「スキルが不足しているし、印象も悪いし、やる気もなさそう」のような方だと、本当にスキル不足で退場となるケースもあるのですが……。多少のスキル不足でも「本人のやる気があり、しっかりキャッチアップをしているし、朝の挨拶もきちんと笑顔でしている」のように、コミュニケーション面でポジティブな印象があると、すぐに退場とはならずに様子見になる場合もあります。
実際、様子見となった後に、エンジニアがスキル不足を補填するような働きをするケースもあるので、コミュニケーションは非常に重要だと私は感じています。
ーーいまのお話で、意外に感じたのは後者の「コミュニケーション」についてです。世の中だと、“何よりもスキルが第一”のようなイメージをSES業界に対して持つ人もいると思いますが、実はコミュニケーションが重要に見られているということでしょうか?
太田さん:そうですね。過去には、面談において「少しスキルが不足していますが、人物的にとても評価できたのでオファーします」といったこともありました。
そうした点もあって私は、“やる気やコミュニケーションが良好かどうか”という面が、かなり重要視されるのがSES業界だと思っています。
ーーなるほど。システマチックにスキルだけを見ているというわけではなく、マナーやコミュニケーションなどの“人間力”的な部分もSES業界ではしっかり見ているのですね。この流れでふと思ったのですが、「コミュケーション不足で退場」と伝えるより、「スキル不足で退場」としたほうがエンジニアに受け入れてもらえそうだから、スキル不足の名目で伝えている……という可能性もあるのでしょうか?
太田さん:それもありえますね。私は、コミュニケーションは重要だと考えているのですが……人によっては課題として認識しづらいことでもあると思うので。
そのため、いまお話しいただいたように、“(案件から退場と言われても)どうしようもない”と納得してもらうため「スキル不足」と伝えて退場していただくパターンもあると思います。
SES業界で「スキル不足で退場」とならなかったエピソード。SES企業・エンジニアどちらもが注意すべきポイントも
ーーここまで聞いて気になるのが、実際にSES業界であったエピソードです。“コミュケーションがプラスに作用した”といったエンジニアや現場のケースで、お話しできるものがあれば簡単に教えていただきたいです。
太田さん:それで言うと……スキルとコミュニケーション両方において不足していたエンジニアの方が、現場でのFBを営業経由で受けて「質問や提案を積極的にする」「3分悩んだら聞く」のように業務姿勢を改善し、案件から退場にならなかったことがありました。
業務の中で、スキルとコミュニケーションを改善していき、現場にもだんだん慣れていったというケースですね。
ーーシンプルながら、SES業界の様子が伝わるエピソードだと思いました。参画したエンジニアに“改善の姿勢”があれば、余程でもないかぎりすぐに退場の通達はされないのかなと。このトピックにおいて、何か注意すべきポイントなどがあればお聞きしたいのですが、思い浮かぶものはありますでしょうか?
太田さん:パッと思い浮かんだものですと、“スキルが不足していない場合でも、「スキル不足かも?」とエンジニアが誤解されてしまうケース”です。
たとえばですが、ベテランのエンジニアの方であっても、その現場のルールやお作法など、社内的な部分に慣れるまで少し時間がかかることがあります。なのでSES企業側においては、“本当にスキル不足で退場にすべき人材なのか”の確認やフォローが重要だと思います。
・SESにおいてスキル不足で退場になるには、いろいろなケースがある。
・仕事の進め方の相性や、コミュケーション不足などが要因でも、“スキル不足”として退場を通達されることもある。
・ただし、“人間力”的な部分で退場にならず様子見となる場合もある。SES企業は、本当にスキル不足で退場となる人材なのか確認やフォローが重要。
SESで起きた「スキル不足で退場」。実は「コミュケーション不足」が原因だった可能性も?

前段で、太田さんから「“やる気やコミュニケーションが良好かどうか”という面が、かなり重要視されるのがSES業界」というコメントがありましたが、それを裏付ける資料の一つに「平成29年度 業界団体等と連携したIT業界の長時間労働対策事業 事業報告書」があります。
厚生労働省が発表したこちらの資料の中には、長時間労働の発生に関連して「発注者とのコミュニケーション」が挙げられています。
それによれば、“発注者とのコミュニケーション状況が長時間労働の発生につながるかどうかについて、プロジェクトマネージャの意見の多くは肯定的”とのこと。

※出典:「平成29年度 業界団体等と連携したIT業界の長時間労働対策事業 事業報告書」厚生労働省
この事実は、発注者のみに限ったことではありません。チーム内においても、きちんとコミュニケーションを取れないメンバーがいると、プロダクトの進捗や業務の進行に関わることがあります。
そのため、エンジニアの採用・面談・継続にあたって、コミュニケーション面をしっかりチェックする法人企業は多いと言えるかもしれません。
しかしながら、「コミュニケーションやフォローが重要なのは分かるけど、エンジニア一人一人と……ってなるとちょっと大変」「いま、そもそも人材探しで困っている。まずはメンバーがほしいのもあって、コミュケーションだけに重きを置いて選ぶのが難しい」といった悩みを持つ法人企業の方もいると思います。
そんなときは、優秀な支援パートナーに、即戦力になるエンジニアを紹介してもらうという方法がおすすめです。
TECHBIZでは、契約支援から導入後のフォローまでを含めたトータルサポートも行っており、初めてフリーランスを活用する法人企業様からも高い評価をいただいています。
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お問い合わせは無料ですので、「スキル不足のエンジニアを退場せざるを得なくなった」「コミュケーションがちゃんと取れるエンジニア人材がほしい」など、この機会にチームの現状を相談してみてはいかがでしょうか?
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