下請けGメンに関する情報を耳にし、「SESにも来るの?」と調べている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、テックビズでシニアコンサルタントとして働く太田里美さんに「下請けGメン」と現在のSESの環境についてインタビュー。「SESの営業」の経験もあり、キャリアコンサルタントの資格も持つ“キャリアのプロ”がこれまでの現場や体験から、現在のSESのリアルを話します。後半では、下請Gメンについて簡単に解説をしているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
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テックビズでシニアコンサルタントとして働く太田さんは、キャリアコンサルタントの資格も持つ“キャリアのプロ”です。
前職ではSES企業の営業を経験するなど、長くIT業界で働く太田さんに「下請けGメン」と現在のSESの環境について話を聞きました。
下請けGメンはSES企業にも来るのか?現在のSESの環境に注目

ーー下請けGメンについて質問したいと思います。「下請事業者のもとに来て、取引の状況などをヒアリングする」という下請けGメンですが、SES企業にも来る可能性はあるのでしょうか……?多重下請け構造などが課題とされている業界でもあるので、各社の状況なども含めて伺いたいです。
太田さん:下請けGメンが「実際にSES企業にも来た」という話は、前職・周りのSESふくめ、私のほうに届いたことはありません。ただ、仮にあったとしても「ウチ、下請けGメンが来たんですよ」のように、そのSES企業から教えてくれることはないと思います。
とはいえ、前職のSES企業では、下請けGメンに摘発をされないように注意をし、業務の整理や進行をしていました。
たとえば、“参画にあたって商流にどこの会社が入っているのかきちんと教えてもらうこと”などがそうです。あとは、たとえ商流が深くても、指揮命令権の関係から営業経由で「こういう業務に切り替えます」のような伝達をするようにしていましたね。
そういった対策をしっかり行っていたことを踏まえると、下請けGメンがSES企業にも来る……というパターンは、あるにはあるといえるのかもしれません。
ーーなるほど。下請けGメン自体、“秘密保持を前提に”訪問をしてくるとも聞くので、「仮に来ても教えてくれない」という見解はまさしくその通りだなと思いました。この流れで気になったのが、“現代のSESの環境”です。下請けGメンが来るのは、それこそ違法の疑いや余程の環境である場合だと思いますが……環境整備にあたって、現代のSES企業ではどういった試みをされているのでしょう?とくにエンジニアの管理やコミュニケーションにおいては、難しい部分もあるのではないかと思うのですが。
太田さん:たしかにSESでは、エンジニアそれぞれがバラバラの現場に行くといったケースが殆どなので、「他にどんな人が自分の会社にいるのか分からない」という状態になりがちだったりします。
そのため現代においては、コミュニケーションの機会を作るようにしているSES企業は多いと思います。
たとえば、帰社日を設定してグループでMTGをしたあと、懇親会を開いて人間関係を作ったり……。中には、“社内でサッカーやボードゲームをするサークルを作って、そこでコミュニケーションを取っていく”といった試みをしているSES企業もいました。
それから、仲間同士で質問やコミュニケーションを取ってもらうために、“同じリモートの案件に参画しているエンジニアの方々に、自社(SES企業)に出社して業務をしてもらう”といった取り組みをしている会社さんもいますね。
「下請けGメンが来るかもしれない業界」の裏側。SES企業で働くエンジニアたちを取り巻く環境のイマ
ーーお話を伺って、率直に“意外性”を感じました。「下請けGメンが来るかもしれない業界」と聞くと、世の中ではクローズドなイメージをされがちかもしれませんが……現代のSES企業ではコミュニケーション面ふくめ、むしろオープンな環境づくりをされているのですね。そういった環境で働くエンジニアについても少し伺いたいのですが、太田さんが見てきた中だと、どのような傾向がありますでしょうか?
太田さん:それについては、エンジニアの年代によってそれぞれ違う印象があります。たとえば50~60代くらいのエンジニアの方だと「元々IT業界は遅い時間まで働ける業界だった」こともあって、長時間の労働をした過去のエピソードを聞くことがあります。当時は、そういう時代だったということですよね。
対して、ここ最近のIT業界だと「リモートワーク・稼げる・プログラミング」のような広告も出ていますし、プログラミングスクールも増えています。若いエンジニアの方の中にはそういったところから入ってきている方や、働き方改革で労働環境を変えていったSES企業もあることから、現代だと自分の働き方に満足されているエンジニアの方は多いのかなという印象です。
その反面、エンジニアは“技術職”であり、学びも常に必要になる仕事でもあるので……。後者のようなキラキラしたイメージだけで入ってきてしまった方の中には、ギャップを感じている方もいると思っています。
ーーその実態を聞くかぎりだと、「エンジニアだから」に限らず、ある意味ほかの業種にも通ずることのような気がしました。日本の仕事においては、一般的にありうる現象……といいますか。エンジニアが働くSESでも同じでしょうか?
太田さん:そうですね。たとえばSES企業でも「エンジニアの希望をなるべく聞いてあげたいけど、希望するポジションの現場が今はない」みたいなことはあります。ただそれに近しい状況は、他業種の法人企業でも起こりうることかなと。
なので、“日本の企業あるある”ともいえるかもしれませんね。
ーーここまで太田さんのお話を聞いて、だいぶ印象が変わりました。質問の当初は“下請けGメンが入る可能性がある業界”という点から、「実態や環境はどうなっているのだろう?」と気に掛かっていたのですが……。実際は、仕組みや環境づくりが進んでいると知ることができました。ただ今なお、違法の疑いがあれば、下請けGメンが調査に来る可能性はあると思うので、今後も環境整備などにおいて業界全体で注意をする必要があるのかもしれませんね。
・下請けGメンは、SES企業にも調査に来る可能性はある。
・下請けGメンが実際に来たとしても、教えてくれるSES企業は基本的にない。
・業界を通して仕組みの整備や環境づくりは進んでいる。しかし違法の疑いがあれば、下請けGメンが調査に来る可能性があるので引き続き注意。
下請けGメンとはそもそも何?SES企業へ向けられる目は厳しいの?

下請けGメンとは、中小企業庁が委託をしている「取引調査員」のことを指します。2026年1月からは正式名称が「取引Gメン」と変更となる予定です。
下請けGメンの主な業務には、下請け事業者にヒアリングし、不適切な取引がないかの調査があります。
ヒアリングは、秘密保持を前提に行います。そこで得た話を、国や業界におけるルールづくりに反映できるように働きかけをするなど、適正取引の実現に向けて努めています。

※出典:「取引調査員(下請Gメン)による訪問調査について」中小企業庁
下請けGメンが調査に来るのは、SES企業においても例外ではありません。
実際、下請法違反となっているケースも少なくなく、下請けGメンおよび、専門の「優越Gメン」が立ち入り調査を行うといったこともしばしばあります。
2022年6月29日には、公正取引委員会が「多重下請け構造によって発生する問題への対応を強化する」方針を示していることから、今後もいっそう環境整備やルールの順守に努めることが業界全体において重要といえます。
こうしたトピックに直面した際、「下請法違反になっていないか、自社の環境やエンジニアの増員について考えたほうがいいのかも?」と不安を感じる法人企業の方もいると思います。
そんなときは、信頼できる支援パートナーに、高いスキルを持つエンジニア人材や自社の状況について相談してみるのがおすすめです。
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なお、お問い合わせは無料です。「下請けGメンが来ることになった……」のような事態を防ぐためにも、この機会にエンジニアや自社の環境について、いちど相談だけでもしてみるのはいかがでしょうか?
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